それぞれの山行
最近の口癖は、
あー登りてぇ。。(言いたいだけ)
アロー☆
まみんこです。
ちょっと前に帰省した時にね、
従姉と山登ろうぜーって話になって。
従姉も去年から登山を始めたらしく、
すっかり二人で盛り上がっていたわけなんだけど。
母ちゃんに、
今度長崎に帰った時にまっきんと山登るけど。。母さんも登る?
と聞いてみたところ、
もちろん登るさ!
と若干キレ気味。
母ちゃんも最近健康のために山仲間を作って山に登り始めたらしく。
しかも従姉と登る予定の山が母ちゃんがいつも登ってる山とのこと。
あんなの登山じゃないわー!散歩よぉ〜!と。
登山靴?必要ない、必要ない!と。
アフラック顔。
でもいつも母ちゃん達が登るコースじゃないけど大丈夫?
と聞いてみても、
どこからでもいいよ。←
かかってきなさいオーラが半端ない。
完全に私を上回る浮かれポンチぶり。
しかも前の日、明け方3時まで飲んでたっつーから、
我が母ながらドン引いたわ!
あの血、私にも流れてるって本当かな。。?
しかもせっかく初売りで登山靴を買ったのに、
もったいないと言って履こうとしない母ちゃん。
うちの母ちゃんこういうとこあるのよ。
たまに実家に帰ると、
タオル類が雑巾と見紛うほどボロボロなわけ。
もうね、新聞紙かと思って、私。
タオルっていう類じゃないのね。
なんかもう、カッチカチなの。
しかもうちの母ちゃん洗濯魔で、
とにかく洗いまくるから、
タオルの繊維とか、ない。ほぼ紙。
水分を吸いこまないと軽く擦り傷レベル。
新しいの。。買ってあげようかぁ。。?
つったら、
いやいや、あると。いっぱいあるとよ!
お中元やらお歳暮やら、
頂き物のちょっといいタオルを倉庫からごっそり持ってくる母ちゃん。
いや、使えし。
なぜ使わん?
もうほんとにね、
こういうとこある。
しかし山に油断は禁物!
低山で試し履きしといた方がいいよーとかなんとか言って、
無理やり登山靴を履かせて、
従姉と従姉の息子、父、母、私の5人でいざ出発。
緩やかな林道。
小鳥もさえずったりなんかして気持ちがいい林道。
山の厳しさなど微塵も感じさせない林道。
和やかな雰囲気でみんなで登っている 最後部から。。
ほぼ嗚咽のように切れた息づかいが聞こえてくる。
振り返ると、山の亡霊的な形相でついてくる母。
いや、もうね、全力で逃げ出そうとしたっつの。
やめてー!ガチ怖いから!!
トラウマになるアレ。
言わんこっちゃない。
登山開始後10分そこそこで、母ちゃんから休憩宣言。←
今なら引き返せる距離だし、下山して車で待ってれば?
と提案してみたけど、
これがもう根っからの負けず嫌いの母。
ちがっ。。おぅえ!ペースがごふっ。。早いだけ!
とにかく認めない。
しかしもはや、頂上を目前にしてプチ遭難。
どうやら急性腸炎を起こしていたようで。。
母ちゃんは、これは昨夜飲みすぎたせいじゃないって必死に言い訳してたけど、
なんにせよ、自分の足で歩けなくなったら、それは遭難なのだよ。
とりあえずトイレに行きたいという母に、
持ち合わせていたストッパを飲ませるも、
おなかの痛みが治まらず、バファリンも飲ませ、
横になりたいという母ちゃんに、従姉がレジャーシートを敷いて寝床を作り、
寒いというので自分たちの上着をかけて体をさすり、
湯を沸かし、飲ませ、 痛みが引くのを待つ。
だって、下山するのだって自分で歩いてもらうしかないからっ!
ただの散歩だと豪語する山で、
まさかの救助隊に出動してほしくもなかろうて。
いやしかしね、
475mの低山の、しかもファミリーコースで、
自分の装備すべてを使い尽くすとは思わなかった。
コンビニの袋ひとつで歩いてるおっちゃんとかいるし。
小さな子供たちも元気に歩いてる。
そんなのどかな里山で、ここだけ人命救助の臨場感がもう。。
どっかの岳的な映画がデジャブしたからね。
山に捨てちゃいけないもの。
ゴミとあとひとつ、なーんだ?(命)
みたいな。
臨場感だけなら標高2,000m超えてた。
こちら南国長崎の里山ですけどもね、ええ。
人命救助の風なら雪山レベルで吹いてた。
横をね、まさに「お散歩」中のおじさまが不思議顔で通り過ぎていきましたけども。
なんごつ?(何事?)
おおごつ。(大事。)
父ちゃんと従姉の息子は先に山頂までいかされたわけだけど、
楽しみにしてたビールをプシュっとしたタイミングで、
降りてきて!
もう母ちゃんがここで引き返すって!
私たちと入れ替わりで母ちゃん連れて下山して!
という指令のもと、
山頂で開けたばかりのビールを一気飲みして下山する、
という謎の山行。(もちろんランチ抜き)
それでも楽しかったという父の大きな優しさ。。泣
母もこれで山の厳しさを分かったと思う。たぶん。